日本人が見落としがちなビジネス英語の3つのギャップ【外資系メーカー勤務が解説】

「基礎的な英語力はあるはずなのに、外国人の同僚とのコミュニケーションがうまくいかない」 「英語で話しているのに、なぜか誤解されることがある」
こんな経験はありませんか?
その原因は、英語力の不足ではないかもしれません。
外資系メーカーで10か国以上のメンバーと日々英語で仕事をしている私が気づいたのは、日本人が英語を使う上で見落としがちな3つのギャップがあるということです。
学校の授業、受験英語、TOEICの勉強——どれも英語の基礎力をつける上では有効ですが、これらの学習ではなかなか触れられないのがこの3つのギャップです。
このギャップを知らないまま英語を使い続けると、意図せず相手に誤解を与えたり、プロフェッショナルに欠ける印象を与えてしまうことがあります。逆にこのギャップを理解してチューニングするだけで、今の英語力のままでも格段にコミュニケーションの質が上がります。
- ビジネス英語学習で多くの日本人が見落としている3つのギャップとは何か
- 各ギャップが生む「もったいない誤解」の具体例
- 今日からすぐに意識できる改善のポイント

ギャップ①:マインドセット・文化的背景のギャップ
日本人が無意識にやっている慣習や思考が、海外の方から見ると全く異なる意味に受け取られることがあります。
一番わかりやすい例が「謙遜」です。
日本では「謙虚な姿勢」は美徳とされますが、アメリカなどの欧米では「自信がある人」「ポジティブな姿勢の人」がプロフェッショナルに見られます。
例えば英語がまだ完璧でないとき、つい言いたくなる一言があります。
❌ “My English is very poor.”(私の英語は下手で…)
このフレーズ、外資系の職場で使っている日本人を何人も見てきましたが、非常にもったいない表現です。自ら自己評価を下げてしまい、自信がなさそうに見えてプロフェッショナルに欠ける印象を相手に与えてしまいます。
✅ “I’m still learning English.”(英語を勉強している最中です)
こう表現するだけで、英語が完璧でないことを伝えつつも、前向きで向上心があるポジティブな印象に変わります。同じ状況でも、表現を変えるだけで相手への印象は大きく異なります。
「ハイコンテクスト」と「ローコンテクスト」の違い
もう一つ重要なのが、コミュニケーションスタイルの違いです。
日本は「空気を読む」ハイコンテクスト文化の典型です。間接的な表現でも相手が察してくれることを前提にコミュニケーションをとります。一方、アメリカやカナダなどはシンプルで明確な表現を良しとするローコンテクスト文化です。
海外の方とビジネスで関わる場面では、相手がどの文化出身であっても、ローコンテクストなコミュニケーションを意識することがベターです。
「言っていないことは伝わらない」という前提で、自分の意見や状況を明確に言葉で伝える習慣をつけましょう。

英語を使って良好な人間関係を築くには、純粋な英語力だけではなく、相手の価値観・文化への理解力(異文化理解力)もすごく重要だよ
異文化理解力を身に付ける方法
日本にいるとなかなか海外の文化や価値観に触れる機会は少ないかもしれません。
そんな中で「異文化理解力」を身に付ける方法としておすすめなのが、エリン・メイヤー著の「異文化理解力」という書籍になります。
異文化理解力は、異なる文化的背景を持つ人々と円滑に仕事を進めるための考え方を学べる一冊です。「カルチャーマップ」というフレームワークを用いて、コミュニケーション、意思決定、フィードバックなどにおける国ごとの価値観の違いをわかりやすく解説しています。
外資系企業で働くと、「なぜ相手はそんな言い方をするのか」「なぜ会議の進め方が違うのか」と戸惑う場面があります。『異文化理解力』は、そうした文化の違いを体系的に理解するための名著です。

国ごとのコミュニケーションスタイルや意思決定の特徴を学ぶことで、海外メンバーとの仕事がぐっとスムーズになるよ!
ギャップ②:日本の英語教育と実際のギャップ
学校で習ったのに、実際は使われていない表現がある
日本の英語の授業で必ずといっていいほど習う表現の中に、実際のビジネス場面ではほとんど使われないものがあります。
一つ例を挙げます。
“How are you?” に対する返答として中学1年生で習う定番フレーズ。
❌ “I’m fine, thank you. And you?”
実はネイティブはほとんど使いません。ニュアンス的には「ごきげんよう」に近く、日常のビジネス会話では不自然です。
✅ “Good, thanks! And you?”
これだけでずっと自然な返答になります。
このように、学校では正しいとされていた表現が、実際のビジネス場面では不自然な印象を与えてしまうことがあります。

日本語の教科書に出てくる定番フレーズが実際はあまり使われない表現だったということが意外と多くあるんだよ…!!
正確なニュアンスを誤解したまま覚えている表現がある
もう一点重要なのが、単語・表現のニュアンスの誤解です。
例えば「問題」を表す単語として “Problem” をよく使いますが、”Problem” には「解決が難しい大問題」というニュアンスがあります。日常の業務で発生する課題を “Problem” と表現してしまうと、相手が必要以上に深刻に受け取る可能性があります。
日常業務での課題・問題を伝えたいときは “Issue” や “Challenge” の方が適切です。
- “Issue”:解決すべき課題(ニュートラルな表現)
- “Challenge”:努力して乗り越える課題(ポジティブなニュアンス)
このように、一つの単語のニュアンスを知っているかどうかで、相手への印象が大きく変わることがあります。
ギャップ③:日常会話とビジネス英語のギャップ
英語にも「丁寧語」がある
「英語には丁寧語がない」と思っている方は要注意です。確かに日本語のような尊敬語・謙譲語の形式はありませんが、英語にもビジネス場面に相応しい丁寧な表現があります。
これを身につけていないと、日常会話のノリで話してしまい、相手にプロフェッショナルに欠ける印象を与えてしまうことがあります。
最もよく使う例が依頼表現です。
❌ “Please check this document.”
“Please + 命令文” は丁寧に聞こえますが、実は命令調のニュアンスが残ります。
✅ “Could you check this document?” ✅ “Would you check this document?”
疑問形にすることで相手に選択権を与え、丁寧な印象になります。この “Could you?” や “Would you?” を使った表現は、外資系の職場で毎日のように使われる基本のフレーズです。

Could/Would表現はビジネス英語の基本の「き」だから、スラスラ言えるように身に付けよう!
日本人が使いがちだけど、ビジネスでは避けた方がいい表現
もう一つ。何かを確認したいときに相手に使いがちな一言。
❌ “Do you understand?”
これ、実は非常に失礼な表現です。相手の理解力を問うニュアンスになるためです。
✅ “Does it make sense?”
主語を「自分が話した内容(it)」にすることで、「私の説明は伝わりましたか?」という意味になり、相手を尊重した表現になります。
このように主語や表現を変えるだけで、丁寧さが大きく変わります。

日常英会話とビジネス英語の一番の違いは「表現の丁寧さ」だよ。丁寧な英語表現についてもっと詳しく学びたい人はこの記事も参考にしてね。

まとめ:ギャップを知ることがビジネス英語上達の近道
この記事でご紹介した3つのギャップをまとめます。
- ギャップ①(マインドセット):日本の謙遜文化や「空気を読む」習慣が、海外では誤解を生む原因になることがある。ポジティブな表現・ローコンテクストなコミュニケーションへの切り替えが重要。
- ギャップ②(英語教育と実際):学校で習った定番表現が実際には使われていなかったり、ニュアンスを誤解したまま使っているケースがある。実際に使われる表現・正確なニュアンスに更新することが必要。
- ギャップ③(日常会話とビジネス英語):英語にも丁寧語がある。Could/Would を使った依頼表現、クッション言葉など、ビジネス場面に相応しい表現に切り替えることでプロフェッショナルな印象を与えられる。
この3つを意識するだけで、今の英語力のままでもビジネスコミュニケーションの質は大きく上がります。
3つのギャップを体系的に学びたい方へ
この記事では3つのギャップの概要と代表的な事例をご紹介しました。
各ギャップについてさらに深く、具体的な表現・実践練習まで含めて体系的に学びたい方には、Udemyで公開しているビジネス英語講座をおすすめします。
- 第1章:日本人が陥りやすいマインドセット5選と対処方法
- 第2章:日本の英語教育と実際とのギャップと対処方法(11の具体例)
- 第3章:日常会話とビジネス英語とのギャップと対処方法
この記事でご紹介した内容を含め、外資系の現場で本当に使える表現と実践練習をまとめています。


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