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【転職希望者必見!】外資系メーカーの組織体制について解説

yukachi.usausa@gmail.com

この記事では、外資系メーカーに勤める現役エンジニアのYukachiが外資系メーカーの組織体制について解説します!

Yukachi
Yukachi

結構外資系メーカーの組織体制って特徴的だから、転職を考えている人はぜひ参考にしてね!

ゆーじ
ゆーじ

組織体制を知ることで何のメリットがあるの?

Yukachi
Yukachi

どんなメリットがあるのかもこの記事で詳しく説明するから、ぜひチェックしてね!

組織体制の違い:外資系メーカーvs日系メーカー

まずは外資系メーカーの組織体制について、日系メーカーと比較しながら、その特徴をご紹介します。

外資系メーカーの組織体制の特徴4つ

外資系メーカーにおける組織体制の特徴を4つあげます。

外資系メーカーの組織体制の特徴
  • 【特徴①】(部門単位では)階層が少ない
  • 【特徴②】決められた「職務(Job Description)」に厳格
  • 【特徴③】エリア単位でも階層がある(ローカル→リージョン→グローバル)
  • 【特徴④】大規模なグローバル企業の場合、マトリックス型組織を採用していることが多い

それぞれの特徴について一つずつみていきましょう!

【特徴①】(部門単位では)階層が少ない

会社全体では、その会社の規模によって階層の多い少ないは異なりますが、部門単位でみると外資系メーカーでは階層が少なくシンプルであることが多いです。

具体的には、「部長」→「マネージャー/グループリーダー」→「スタッフ」ぐらいだったりします。日本法人の規模によっては「部長(マネージャー)」→「スタッフ」だったりもします。

そのため、スタッフの立ち位置であったとしても、マネージャーとの距離が近く、提案や発言のチャンスも多いですし、個人の裁量が大きかったりします。

【特徴②】決められた「職務(Job Description)」に厳格

外資系メーカーの場合、それぞれの立場に対して求められている明確な「職務(Job Description)」があります。

仕事の評価も、定められた職務を基準に達成度を評価するかたちになります。

日本人の場合、明文化しなくても「なんとなく」で通じたりしますが、グローバル企業の場合は様々な人が働いているため、職務を明文化して責任の所在を明確にすることは組織運営上重要になります。

ただ、その分、「職務に規定されていないことはやらない」ということにもつながってしまうので、柔軟な対応はしづらいというデメリットがあります。

【特徴③】エリア単位でも階層がある(ローカル→リージョン→グローバル)

外資系メーカーで勤める場合、このエリアによる階層は無視できません。

・ローカル:それぞれの国での現地法人 (例)日本法人

・リージョン:複数の国をエリアごとにグルーピングしたまとまり (例)APAC, EMEA

・グローバル:その企業の中枢、いわゆる本社

日本法人で勤務する場合には、このエリア単位での階層における日本法人の立ち位置が非常に重要になります。

なぜなら、日本法人の仕事内容や進め方に大きく影響するからです。

日本法人は、APACやアジアといった括りでマネジメントされるのですが、日本のマーケットの状況によって、グローバルの中で重要視されるかどうかが決まります。というのも、日本法人は基本的に日本のマーケットを担当するからです。

日本のマーケットが魅力的で今後も成長すると見込まれれば、日本法人に対してリソースが割かれます。そうすると、当然プロジェクトも進めやすくなりますし、色々なことに投資し設備も充実していきます。

さらに、日本法人がアジアのリージョンの拠点として機能する場合もあり、そうなると日本人がリージョンをマネジメントするポジションにいきやすくなります。

逆に、日本のマーケットがあまり魅力的でないと判断されると、リソースも縮小していき、経費削減の対象になっていきます。

Yukachi
Yukachi

場合によっては、人員が削減されることも…

また、日本法人の裁量権がどんどんなくなっていき、小さなプロジェクトであってもなんでもグローバルの承認が下りないと進められないという肩身の狭い感じになったりします。

Yukachi
Yukachi

エリアの階層の影響度合いは職種によって程度の差はあるよ。セールスとかは影響少な目だけど、R&Dやマーケティングは影響大きいかも!

ゆかうさ
ゆかうさ

エリア単位の階層がキャリア形成や仕事の進め方にどう影響するのかは、こちらの記事も参考にしてな!

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【特徴④】大規模なグローバル企業の場合、マトリックス型組織を採用していることが多い

コングロマリットな大規模なグローバル企業の場合、「マトリックス型組織」という組織体制を採用するケースが多いです。

ゆーじ
ゆーじ

「マトリックス型組織」って一体なんだ…??

Yukachi
Yukachi

簡単にいうと、布目のように縦軸と横軸がある組織構造のことだよ!詳しく説明するね

マトリックス型組織とは、1人の社員が2つ以上の指揮系統(レポートライン)に属する構造のことを言います。

具体的にいうと、事業部や機能(ex. 法務、人事、経理)などの縦軸のリポートラインと、エリア(ex. アジア、ヨーロッパ)や製品グループなどの横軸のレポートラインが絡み合った組織です。

このような組織体制にすることで、横断的にも管理でき、「グローバル×ローカル」などの複雑な連携も可能になります。

ただし、デメリットもあります。指揮系統が複数になることで、それぞれに対してコミュニケーションする必要があります。

また、縦軸と横軸で利害が一致しないことはよく起こるため、複数の部門との調整が求められます。これが結構ややこしく、時間と労力がかかるのです。

日系メーカーの組織体制の特徴4つ

次に、日系メーカーの組織体制の特徴をあげます。

日系メーカーの組織体制の特徴
  • 【特徴①】階層が多いピラミッド型
  • 【特徴②】職務はあいまいなケースも多く、職務範囲が広い
  • 【特徴③】ローカル志向の組織
  • 【特徴④】部署ごとの縦割りが強く、機能型組織が多い

こちらも詳しくみていきましょう!

【特徴①】階層が多いピラミッド型

日系メーカーでは、例えば「部長」→「次長」→「課長」→「係長」→「主任」→「スタッフ」といったかたちで階層が多いのが特徴です。

これは、年功序列的な昇進制度や長期雇用を前提とした組織体制になっています。

これによって、若手を段階的に育成できたり、意識決定が慎重になり大きなミスは少なくなるといったメリットがあります。その一方で、若手の裁量が少なくなったり、意思決定のスピード感がなくなったりといった面もあります。

【特徴②】職務はあいまいなケースも多く、職務範囲が広い

外資系メーカーの場合は職務(Job Description)に厳格という特徴がありましたが、日系メーカーの場合は真逆で、職務の内容が明確でないことが多いです。

これには、日系メーカーの「メンバーシップ型雇用」と深く関係しています。

日系メーカーでは、外資系メーカーの「ジョブ型雇用」とは異なり、「メンバーシップ型雇用」が主流になります。

「ジョブ型雇用」では、まず仕事があり、そこに人を割り当てるという考え方ですが、

「メンバーシップ型雇用」では、人に仕事を割り当てる(=人基軸)な考え方になります。

このように、「メンバーシップ型雇用」では人に主眼が置かれているため、職務の内容があいまいになりやすいのです。

また、ジョブローテーション制度を採用している企業も多く、長期間かけてその会社にフィットするよう育成していくかたちになります。その結果、「ジェネラリスト」が多いのも特徴です。

【特徴③】ローカル志向の組織

もちろん日系メーカーの中でも世界各地に拠点があり、世界中で販売しているグローバル企業はありますが、日本国内のマーケットを中心にビジネスをしている日系メーカーも多いです。

また、海外への輸出はあっても、製造や研究・開発拠点は日本中心というケースも多いです。

そうなると、基本的には日本拠点に中心的な機能をもち、主に日本人によって組織が形成されるかたちになります。

【特徴④】部署ごとの縦割りが強く、機能型組織が多い

日系メーカーの場合は、縦割りの「機能型組織」を採用しているケースが多いです。

機能型組織では、各部門がそれぞれの専門性に集中できるため、効率的な生産や品質管理が行いやすいといった特徴があります。

また、【特徴③】でお話した通り、日系メーカーの場合は日本に中心的な機能が集中していることが多いため、横軸の管理がなくても縦割りの管理で十分といった背景もあります。

ざっくりまとめると…

観点外資系メーカー日系メーカー
部門内の組織構造少数階層ピラミッド型の多層階層
意思決定トップダウン・スピード重視合議制・根回し重視
責任の所在明確・職務ベースあいまいになりやすい
海外拠点との関係性グローバルの方針に従う必要がある日本の拠点に中心的な機能をもつ
会社全体の組織構造マトリックス型組織が多い機能型組織が多い
ゆーじ
ゆーじ

外資系メーカーと日系メーカーでこんなに組織体制の特徴が違うんだね!

Yukachi
Yukachi

そうなんだ!「組織体制を知る」ことは「会社を知る」ことだから、入社前に組織体制を調べるとたくさん良いことがあるよ!

外資系メーカーへの転職時に組織体制を知る5つのメリット

これまでお話してきた通り、組織体制を知ることで会社の様々な面を知ることができます。

特に外資系メーカーの場合、日系メーカーとは異なる組織体制を採用しているケースが多いため、初めて外資系メーカーに就職する際にはぜひ事前にチェックすることをおすすめします!

ここでは、具体的にどんなメリットがあるのかを解説していきます!

外資系メーカーの組織体制を知るメリット
  • 【メリット①】その会社でのキャリア形成について描きやすくなる
  • 【メリット②】実際の働き方や文化が見えてくる
  • 【メリット③】日本法人の立ち位置が仕事内容にも影響する
  • 【メリット④】入社後のミスマッチのリスクを少なくできる
  • 【メリット⑤】入社後の立ち上がりがスムーズになる

【メリット①】その会社でのキャリア形成について描きやすくなる

組織体制はその会社のキャリア形成の土台になります。

「スペシャリスト志向」か「ジェネラリスト志向」か?

グローバルキャリアのチャンスはあるのか?

昇進のスピード感は?年功序列か?

など組織体制からその会社でのキャリアパスが見えてくるため、入社前に知っておくと安心です。

【メリット②】実際の働き方や文化が見えてくる

部門の中の階層が少ない場合、フラットな雰囲気で個人の裁量権が大きいのかなと考えることができます。

また、「マトリックス型組織」では上司が複数いるため、仕事を進める上で調整力が求められそうだなと予想できます。

このように組織の特徴を知ることで、実際の働き方やその会社の文化についても事前にある程度推測することができます。

【メリット③】日本法人の立ち位置が仕事内容にも影響する

外資系メーカーの組織体制の特徴の中でも解説した通り、外資系メーカーの場合、グローバルの中での日本法人の立ち位置によって日本法人での裁量権の大きさが変わってきます。

そして、それによって個人の仕事の進め方にも影響を及ぼすのです。

Yukachiの場合、日本法人のR&D部門に所属していますが、最近は特にグローバルからの指示が強く、新規の開発プロジェクトを進めるには必ずグローバルの承認が必要になります。

そうすると、日本法人の中だけで進められないので、スピード感がなかったりという弊害があったりします。

一方で、日頃からグローバルのメンバーと協働する機会が多いので、日本にいながら世界中の同僚と一緒に仕事をする機会が多くあります。

このように、日本法人の立ち位置を知ることで、入社してからの仕事の進め方についても推測することができるのです。

【メリット④】入社後のミスマッチのリスクを少なくできる

【メリット①~③】でお伝えした通り、会社の組織体制を知ることで、キャリア・働き方・文化・仕事内容などの多くのことを知ることができます。

逆に、外資系メーカーの場合、これらの要素は日系メーカーと全然違うケースが多いため、事前に知らないとミスマッチしてしまうリスクがあります。

入社してから「こんなはずじゃなかった…!!」なんてことが起きないためにも、事前に知っておくことは重要になります。

【メリット⑤】入社後の立ち上がりがスムーズになる

入社後のミスマッチを避けるためだけでなく、入社後の仕事の立ち上がりに対してもメリットがあります。

入社前に組織のことや仕事の進め方についてある程度把握できていれば、新しい環境であってもスムーズに仕事に取り掛かれます。

また、人は最初の印象がとても大切なので、余裕をもって仕事に向き合えると周りの人からも信頼されやすくなります。

このように、組織体制を事前に知っておくことで、入社後の立ち上がりもスムーズになります。

ゆーじ
ゆーじ

まさに良いこと尽くめだね!会社の組織体制を知る重要性がよく分かったよ!

組織体制の調べ方

最後に会社の組織体制の調べ方についてヒントをシェアします。

例えば、以下のような方法で調べることができます。

Yukachi
Yukachi

会社の公式サイトに載っていれば一番確実だけど、公開されていない場合は色々なルートから情報収集することで調べられるよ

ゆかうさ
ゆかうさ

転職の面接のときに逆質問して聞くのもいいね!

  • 会社の公式サイト(採用ページ、IR情報)
  • その会社の社員に直接聞く
  • 転職エージェントに聞く
  • OpenWorkなどの会社の口コミサイトを見る
  • カジュアル面談
  • 面接時の逆質問

まとめ:転職前に組織体制を確認しておくことが重要!

この記事では、外資系メーカーの組織体制について日系メーカーと比較しながら、その特徴について解説しました。

また、組織体制を知ることによるメリットや調べ方についてもご紹介しました。

今回の結論は、

「外資系メーカーへの転職をかんがえている人は、組織体制を調べるべし!!!」

です!

この記事が外資系メーカーの組織体制について理解を深める助けになれば嬉しいです

ABOUT ME
Yukachi
Yukachi
外資系エンジニア/ビジネス英語Udemy講師
外資系メーカーでエンジニアとして勤務しているYukachiです 日本生まれ、日本育ちながら、現在では10か国以上の同僚・取引先と英語でやり取りしながらお仕事をしています
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